そもそも、うちらが手掛けている梅農園の土壌ってどうなのよ?
という積年の疑問を晴らすべく、森谷工房の森谷さんにお越し頂いて、現場を見ながらレクチャーを頂きました。
合流したら、細かい話は抜きにして早速現地入りです。今回は私たちが手掛ける3か所の農園(2か所は曽我梅林の平野部、1か所は国府津丘陵の山腹にあります)を順番に見ていきます。始めに平野部の梅林に行きました。
梅林を見て第一声が「あ、ここは傾斜地ですね」と。「向こうが高くてこちらが端部だから水がこう流れて・・・」と話が続きます。
今までずっと平らな土地だと思っていたけれど、その一言から始まった話は、”ここは平らな土地なんだ”というバイアスを破壊し、さらに”土壌=ミクロな成分分析”という思い込みまで矮小化させ、土壌と地形は不可分なものなのだという理解を与えてくれました。
実際農家さんの経験としても、山の麓のあたりの梅林は収量が多い、というコメントも。
「穴を掘る習慣を身につけようね」と言われながら地面をスコップで掘ります。水分量、積算照度、phなどの主要パラメータの話も織り交ぜながら、土の団粒の大きさ、湿り気具合などを手で触りながら実感します。
また地面の下だけでなく、梅の木の枝ぶりを見れば、葉っぱ1枚1枚から幹を通って土中の根まで一連のものがつながっている(パイプ理論?)ので、その枝側の下にある根っこや土壌の状態も推測できることを教わりました。
という調査の合間にも、土の中から何かの甲虫の幼虫やミミズが出てきたり、テントウムシがいたりを見つけて、パチリ。梅の枝の外と内の相対的な照度を設計することで、下草の育成をコントロールしつつ、梅の光合成量を最大化する剪定の考え方など、これからの冬剪定に向けて、良い指針が得られました。
また「簡易的なものだけれど土の見立てを身につけるきっかけには良いよ」といくつかの測定キットを紹介してもらいました。ラテン格子の話が出てきて大学のころの懐かしさも頭をよぎりつつ、「とにかくいろいろ測りまくってみて、自分なりの感覚や見立てを持つことだね」と言われました。
精密さ緻密さよりも、その場その場で活かせる知恵を育みたい、と思います。
一方で山腹の農園を見に行くと、「あぁ、これはコフキダケが生えているからもうダメかも知れないね」と言われた樹が一本ありました。もともと強剪定されていたものの復活の兆しが見えず、もうダメかな・・・と思っていた樹だったのですが、樹木に生えているキノコを樹勢のバロメータとして見ることは知らなかったので、とても新鮮。
他の木を見るともう一本、根本からキノコ群が幹に向かって一列に生えているのを見つけました。ここからでも土の状態を変えていくことで復活するのでしょうか。今後注意深くケアしていきたいと思います。
気のせいかも知れませんが、農家さんの梅の木を見る目、触る手つきに愛情が感じられる・・・
周囲の防風林もかなりの高さになっていて倒木もあったりして、こちらは冬の間に林内の整備をいろいろやる必要がありそうです。
ふと見上げるとアケビの実がたわわに実っていました。スーパーで2つで500円で売っていたなぁ・・・と煩悩が頭を過りながら数を数え(笑)、林内整備用のファイアプレイスとアケビ養殖用の棚でも作ろうかな、とワクワク妄想していました。
現場の最後は、ちょっと寄り道してツリーテラス構想の現場へ。
「まずは一人が登れるようにして、そこから足場を組んで少しづつ広げていくこと」
確かに。どこかの組織開発の哲学を聞いているような時間でした。
半畳くらいの広さになっちゃうかもよ?と言われたけれど、3,4人は座れる広さにしたいという願望も抑えられず。引き続き検討です。
その後ウチで梅づくしのおひるごはんをみんなで食べ、簡単なラップアップと、農学の基礎を学ぶための本を紹介頂きました。
始まりは土壌というテーマでしたが、話をしていくうちに
「経営と法律と農業の統合的な取り組みは、どこもなかなか出来ていない」
「ブランディング化して押し売りするのではなく、無印でも消費者が当たり前に買いに来るものをどう作れるか」
という話になりました。生産から出荷までの統合的かつ持続的な取り組み、システム作りです。
まさにシステムシンキング、これからYume+ableでやっていきますとも!
乞うご期待です!
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