今年はなかなか梅雨入りしない地域もあり、6月初めまでは小田原でも爽やかな天気が続いていました。国府津の山に少し上ると、左手には相模湾と伊豆半島、前方には酒匂川が作り出した扇状地と箱根の外輪山、右手には御殿場の山の向こうに富士山が、大きな空の下に一望出来る大好きな眺めがあります。スケール感には乏しいですが、パノラマでパチリ。
6月が始まると同時に十郎梅の収穫が一気に始まり、20日ころまでは収穫が続きました。そして十郎梅が落ち着き始めると、入れ替わるように南高梅の収穫が立ち上がり、6月下旬まではほぼ毎日、収穫のために農園を訪れていました。毎日梅の収穫量を量るので、ニチワの30㎏秤も買ってしまいました・・・正しいデータは正しい計測から!さっと素早く正確な測定が出来ることが、なんだか嬉しい。
合間に、お世話になっている農家さんの選果や梅干し漬けのお手伝いもしました。500㎏の樽に梅がぎっしりと漬けられています。収穫した梅は洗った後、樽の中に梅→塩→梅→塩・・・とミルフィーユ状に漬けていきます。塩は天然粗塩をつかっていらっしゃいますね。
次第に梅酢が上がってくるのですが、下の方に塩分濃度が高い梅酢が溜まってしまうため、樽の中身を丸ごとひっくり返す「天地返し」を行います。と言っても、その辺のバケツをひっくり返すような簡単なものではなく、梅が破れないように一粒一粒を網にすくって、空いた樽に丁寧に移し替えていきます。
今年は全部で4トン(!)ほど漬けたそうで、梅雨明けからはまた一粒一粒天日干ししていくそうです。膨大な作業を通して、梅干しが作られていくことが、良く分かりました。
さて、私たちも梅の加工を考えています。
今考えているのは、梅シロップと梅ジャムです。先日はメンバーと合宿をして、それぞれが作った梅シロップと梅ジャムの試食評価会を行いました!
一口にシロップと言っても、グラニュー糖、白砂糖、氷砂糖、てんさい糖、黒糖、はちみつなど・・・どういう糖で漬けるのかによって、全く異なる色味・風味・コクになります。また梅の熟度(青梅、完熟)によって、酸味、爽やかさ、香りも別物になります。さらに糖と梅の実の割合でも、漬けておく期間でも変わってきます。
今回はこの中から全11種類の組み合わせを、ひと匙ひと匙確認して、それぞれのレビューをまとめていきました。すると、好みや使い方に応じてそれぞれの良さも見えてきながら、これは美味しい!というものがあることが見えてきました(詳細は企業秘密っ)。
ジャムも同様にいろいろな組み合わせがあるのですが、こちらも美味しい梅ジャムが見えてきました。市販のものと食べ比べても遜色ないジャムが出来そうです(というのは控えめで、個人的にはお土産にしたくなるような美味しいジャムが作れると思っていますッ)。
こうしてバリエーションをいろいろ試すうちに、梅本来の風味に親しんだり詳しくなったり、こだわりを持つようになること。みんなソムリエ気分で語りあっていました 笑。
来年、多くのみなさまに安心かつ美味しいシロップやジャムがお届け出来るように、磨いていきたいと思います!
試食会後に、甘くなった口の中を整えるために淹れたお茶には茶柱が立っていました。
これからも楽しく、美味しく、善い学びがありますように。
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